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2017年8月 2日 (水)

考証というかリアリティというかについて。

映画「後妻業の女」を観て、主演女優のひどい関西方言の他に、おかしいと思った部分があります。まず、セミがミーンミーンと鳴いているのですが、羽曳野市に限らず、大阪府の南河内地区で「ミーンミン」と鳴くセミ(要するにミンミンゼミ)がいるのは金剛山の上だけです。農林センターに散歩に行くような距離の住宅地にいるのは、アブラゼミ(ジジジジジと鳴く)かクマゼミ(シャアシャアシャアシャアと鳴く)。関東では都市部でもミンミンゼミがいるから、「ああ、これは関東人が作ったんだな」とすぐわかります。

羽曳野の家というのも、いろいろなところの感じがおかしい。おそらく羽曳が丘なんでしょうが、ここのオープンが昭和37年。そのころ建った家という設定みたいなんですが、何か違和感があります。あのあたりはどの家にも標準的に庭があるのですが、その感じがおかしい。阪急が開発した宝塚とか豊中あたりの雰囲気を感じます。つまり、なんとなくせせこましい。羽曳が丘というのは、南河内だからもっと開放的なんです。それに、農林センターまで散歩に行けそうなのは7丁目か8丁目なんですが、あの最後に倒れる場所まで歩くほど元気な老人は、僕が子どものころはいたけど、いまどきいるのかしらん? 1kmぐらい登って降りるんですよ。普通は、羽曳が丘の麓の蔵之内とか西浦の人が自転車で行くところ。

というような感じは他の映画でもよくあって、「ロボジー」で平尾台を田中要次さんが乗る白バイが走っているシーンがありますが、実際にはありえません。白バイが走る山道は、そこから南へ5kmほど行った、県道64号です。動物霊園の入口の影で待ち伏せて取り締まります。

そんな地元民しかわからないことはどうでもいいじゃないかとも思いますが、そういう妥協をするかしないかは、作品の完成度に影響するのではないかと思うのです。

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